青豆ほーむ

チラシの裏

断片~黒澤明~

黒澤明監督の作品を見ています。小津安二郎とか昔の日本映画を観たことがなかったので、ちょっと試しにレンタルしてきました。特に意味はなかったりします。

 

で、感想なんですが、すごいですね。ワンカットワンカットすべてがスティル写真としても十分に通用するほどに美しい。風の流れでさえ構図に組み込んでしまうその職人気質な手腕に見惚れてしまいました。

と、いうと「風なんて映らないでしょ」なんて反論してくる人もいますが(たまに、ね)、風そのものは不可視であるため映らないのは当然なのですが、空間に舞う砂埃などを使うことによって、確かに存在するものとして映すことができるんです。

不可視なものを確実に映す、といってぼくが必ず例にあげるのに、『宇宙戦争』で主人公の娘が身を隠すシーン(どのあたりだったかな、ちょっと今度確認してみます)で、彼女の唇にかかった蜘蛛の巣、などがあります。

呼吸のたびに揺れる蜘蛛の巣をみていると、必死に息を殺す彼女の息遣いまで「見える」ようではありませんか。

緊張感や見えないものを確実に見せる演出は、大変見落としやすいので気をつけて鑑賞するようにしています。

歯がゆいことに、映画論については素人も同然なので、あまり上手に感想や印象を文章化することができませんが、『映像の詩学』というものを意識しながら、これからも映画を観ていきたいと思いました。

それでは。

 

 

 

宇宙戦争 スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

宇宙戦争 スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]