青豆ほーむ

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幻獣少年キマイラ2 朧変読んだよー

 『キマイラ2 朧変』をTSUTAYAでポイントが貯まったので購入。けっこうアニメとかレンタルしてると本一冊分くらいはたまるものですねー。今月はちょっと自転車(クロスバイク)などを買って金欠気味なので、こういうちょっとしたお得感というものを大事にしていきたいです。前巻からちょっと間が空きましたが、何とか読了することができました。積ん読は増えつづける一方です。

で、感想なんですが、今回もおもしろかったです。

 

キマイラ2 朧変 (角川文庫)

キマイラ2 朧変 (角川文庫)

 

 

 今巻は九十九視点で描かれています。常識を逸脱した暴力的な世界に足を踏み入れざるを得ない状況に追い詰められて行く九十九に同情と共感しまくりでした!彼もまた肉体を蹂躙する愉悦に心惹かれつつあるようで、そのあたり十代でありながら成熟しているとみせかけて、まだまだ未熟である証拠なのかもしれない。

新たに登場するキャラクター龍王院弘との因縁にも注目です。本当に美青年がよく出てくる小説ですね。やおいにもけっこう使えるんじゃないでしょうか。

 

それと、やっぱりキマイラの最大の魅力といえば、常人離れした格闘技術をもちながらも、銃には敵わない、簡単に破壊される肉体の脆さという制限のある、どこまでも現実的な戦闘描写でしょう。打撃にはめっぽう強い頑丈さをもつ九十九でさえ、ナイフや獣の爪や牙にはあっさり壊されてしまう。本当にスリリングです。

今回、大鳳くんの出番は終盤のみとなっていますが、同じ化物を体内に宿す九鬼とは違う道を歩みながらも、行き着く先は同じく破滅というのは、見ていて痛々しい限りです。己の中の獣性を自覚しながらも、意識しすぎて無理矢理抑圧したがために、却って失うべきではない人間性こそを殺し、獣性を育ててしまうというのは誰でも体験したことのある失敗ではないでしょうか。若いですね。この青少年特有の無自覚な未熟さというのは、すごく共感できる。自覚ではなく自認が大事であると。

 

それにしても深雪の命を捨ててもいいと思えるほどの献身的慈愛というのは、読んでて不憫だと思った。あと次巻もおっぱいポロリとかあるのかしら。あと登場人物紹介のイラストは正直いらないですね。九十九のデザインが無骨な高校生というより、熱血体育教師みたいな感じで、文章から喚起されるイメージと噛み合わないんですよ。ほかのキャラクターたちはマシなんだけどなぁ。残念!

既刊がどれほどあるかもチェックしつつ、次巻も続けて読んでいきたいと思います。

それでは。