ぼくが二度と鑑賞しまいと誓った4つの映画
どうも青豆です。最近、『○○に観てほしい、○○映画選』みたいなあっさりとして読みやすいレビューをよく見かける、というか見ているんですが、ちょっと自分もやりたくなってきたので、今回はタイトル通り、ぼくが二度と観るまいと誓った作品を挙げてみます。選定基準は「ぼくの心に深く印象深く鮮烈な映像を残し、くだらない自意識が炸裂して死にたくなるような作品」という大変アバウトで自分語りを含むものとなっております。既に駄作という烙印をおされた作品についてはノータッチですね。誰が得するんだこんなの。
というわけで、こちらから。
1.『アイ・アム・レジェンド』
ギャーーーーーー!!!!!!!!!!! で、でたー!!!!! アニマルに対するどす黒いコールタールのような感情を植え付ける珠玉のエピソードを内在する名作中の名作です。これと『ブラフマンの埋葬』はぼくにとってNGツートップです。
原作はリチャード・マシスンの『地球最後の男』、廃墟化してクリーンとなった(精神的に)大都市と、その暗部に潜むクリーチャーと化した人間たち。相棒とともに世界を我が物とする欲望を味わわせてくれます(その絶望も)。瓦礫や廃車の軽快に走り回る鹿が聡明で美しく、魅了されますね。伏線として散りばめられた価値の逆転への布石には目を瞠ってしまいます。ジャングル化した大都市なんてロマン以外の何者でもない。
褒めといてなんですが、鑑賞するたびに相棒が愛おしくなっていく構成となっているので、二度と観ることはないかもしれません。
2.『悪夢探偵2』
この作品については賛否両論あるかもしれません。絶望と救済の同時存在性、素晴らしい夢も悪夢になり得る可能性を示した点で、非常に斬新と言えるでしょう。
ホラー映画としてもおもしろく、現実を侵食する悪夢が怖いのなんの。肝心のものを一瞬しか映さないサブリミナル的な技法が「一瞬が溜めをつくる」という逆説性を孕んだものとして展開していきます。前作『悪夢探偵』は悪夢をキーワードにしてのメタサイエンスを意識した作品でしたが、続編である『悪夢探偵2』は純粋なジャパニーズホラーとして楽しめます。今回はヒロインとの出会い頭に主人公が首を吊るなんてことはありませんし、塚本晋也の怪演が他俳優陣をくってしまうこともないので、非常にバランスがとれているのでみやすい。
「もう一度観る? あぁ、いやだいやだ」
3.『かいじゅうたちのいるところ』
モンスターと人間は共存不可能であるという「just so!!(そのとおり!)」と膝を打つこと間違いなしな、もうこれ以上分解不可能なんじゃないかというくらいまでシンプルに表現された真実、この不毛性がぼくはなんかいやでした。タイトルやパッケージからゆるふわなイメージを感じ取りましたが、そんなことはなかったぜ!!
序盤では、こどもの怪物性がほかのリアル怪物との同調を促しましたが、ずっと怪物ではいられないという子供の自意識(無意識にもつ子供の中の大人)が、最終的に彼らとの共生を拒み、元ある世界に帰っていくという内容となっています。絵本的だなー。激しくネタバレを含んだように思いますが、こういった「良好な関係性が徐々に破綻していく」模様は、物語の連続性に身を任せることでしか味わえないので、是非一度観ることをおすすめします。ビジュアルもこわいんだなこれが。オチがシンプルであるがゆえに二度と観ることはないと思った作品。
4.『リリィ・シュシュのすべて』
言わずも知れた岩井俊二監督の怪作。思春期の30人と最少人数(友達)とで構成された世界を見事にフレームにおさめた醜悪で奇跡的に美しい作品。この透明な空気感が見るものすべてに鮮烈な映像を焼き付ける。少女としての蒼井優、少年としての市原隼人をポートレートとして残した悪意ある彼の偉業はもっと褒められてもいいです。
Salyuのメランコリックな音楽も複雑なマテリアルとして世界観に溶け込んでいるようにも思えます。いやー、これも二度と観ることはないですね。というか再度観る必要性が皆無です。美しすぎて。
終盤、ちょっと疲れてきたので適当になっていましたが、以上です。ホントは5つにする予定だったのですが、最後のひとつが絞れきれず断念。簡単そうにみえて、やってみると意外と難しいものですね。
それでは。
参考記事(あまり参考にしてない)