青豆ほーむ

チラシの裏

『LUCY』~リュック・ベッソンの限界~

どうも最近映画ばかり観ている青豆です。いったいどういう心境の変化なのか、ほんと映画しか観ていない。『るろうに剣心』『TOKYO TRIBE』『LUCY』『GODZILLA』『ルパン三世』『トランスフォーマー』に、あとほかに何かありましたっけ。とにかくアクション映画が無駄に豊富ですねー。

ぼくみたいにアクション映画観て「すげぇおもしろかった!!!勃起した!!!」とかペラくてしょうもない脊髄反射人間にはとても良い傾向ですね。素晴らしい。作品から何かを学ぼうという姿勢が徹底的に欠如したダメ人間とはぼくのことだ。

というか、積ん読の消化どころかまったく無計画にレンタルしてきた映画たちがぼくのせまい机を占領しつつあります。積ん読ならぬ積ん映画? 微妙ですね。映画において、積ん○○の○○に該当することばとか、何か良い案ないかな。。。どうでもいい

 

で、8月から9月の頭にかけて6本の作品を観ることができたので、ついに一本無料になりました!パンパカパーン。「で、何みるよ、タダだぜタダ!タダより高い映画なんてないよな!」と歓喜で胸いっぱいになりました。無料という最高のスパイスを含んだ選択、悩みに悩みました。で、選んだ映画が、、、

 

『LUCY』でした。

 

これ、まったくもってひでぇ映画だったのですが、これでは感想文にはならないので、一応真面目に不真面目な文章を書いていきたいと思います。

 

感想:ナンジャコリャー

もともとリュック・ベッソンっていう監督の演出力って実はたいしたことない。それは彼の手がけた作品群を観てもらえばわかると思います。適当ですね。冗長で、緩急は及第点ですが、どこか間が抜けていて緊迫感がなく、アングル選びもはっとするようなものは皆無です。『LEON』が辛うじて人の記憶に残り名作として今も語り継がれているのは、単純なスケールの小ささによる親近感、つまり思考停止しやすい構成だったに他なりません。ナタリー・ポートマンは確かに可愛かったが、それ以外のあんまり思い出せないんだよなあ。比較するのは悪いですが、同時期に公開された『ルパン三世』の方がセンスが良かったです。

 

ちなみにこの『LUCY』、主人公が陥る巨視的で大きな状況と、警察や中国マフィア(で、いいのかしら)が属する小さな状況とがまったく噛み合っておらず、アクション的に無理矢理つなごうとした分、かなり無理がある構成となり、非常に凡庸で、あまりスケールの大きさが感じられない、なんか卑小な映画となってしまっています。予告編から漂う駄作臭は間違いではなかった。あと自分の演出力の無さに気づいたのか、カットとカットの間にイメージを映像を挟んだりして、映画としてはかなり禁じ手だと思われるような技法を使っていて、非常に浅はかな印象を受けました(主人公がじわじわと追い詰められるシーンの合間に、チーターが獲物を狙うという物語上まったく無関係なカットを挿入するとか)。

 

そういう「生の映像」をぽんぽん無責任に投げ出して、ぼくらはその映像に打たれるばかりというわけです。閉じたシステムとしてのアクション映画界の空間に、自分の居場所は無いと自認して、もう投げやりになっているんじゃないかと疑われますね。あるいは、さまざまな映画の引用とか、『Angel-A』での物語性の回復とか、割と器用に頑張っていたような気もしますが、ただ、それもそこまでで、さらに単純なものとして再出発しようという試みなのかもしれない。ただの絵物語に退化しているだけにも見えますが。超越者としてのルーシーが見ている世界なんて映らないし、映せるわけもないのだから、制作開始前から完全に敗北しているようなものなのに、何考えているんだかよくわからない……オチとか攻殻機動隊のオマージュどころかモロパクリだからね……『マトリックス』の方が断然おもしろかったんじゃないかな……。

 

なんだか書いていて辛くなってきた。厭な気分が抜けきらないので、酷評になる前に筆を置きます。

 

それでは。

 


映画『LUCY』インターナショナルトレーラー - YouTube

 

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