青豆ほーむ

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『TOKYO TRIBE』~デカイはエライ、エライはデカイ~

観てきました! 『るろうに剣心 伝説の最期編』を鑑賞しに行くはずだったのですが、あいにく満席、そのまま何も得ずに帰るのもなんだか癪だったのと、わざわざ連休を外して平日に足を運んだのにこの仕打ち、そもそも平日に満席になってんじゃないよ! という苛立ちもあって、ちょっとブッ飛んだ映画を観てストレスを発散させよう、ということで『TOKYO TRIBE』を選択したというわけです。非常に頭が悪く安直ですね。うん、わかっているんだ、そんなことは……。

 

監督は園子温、『愛のむきだし』とか『地獄でなぜ悪い』、青豆イチオシの『ヒミズ』で有名な(他にもあったかもしれないが、覚えてない)人ですね。非常にコミカルで、手塚的な【漫画的記号表現の果てにある死に行く肉体】を描写するのが得意なようです。

B級とA級(本来の意味ではなく、日本的解釈の意味での)の狭間という何とも中途半端で偽善的な立ち位置を維持する彼の、なんというか精神分裂的な、笑いがアイロニーに転じる一歩手前の引きつった笑い、ブラックジョークですね、そういった表現が大好きなんですよ。下劣な人間性が見えてくるじゃないですか。いやホントは好きじゃないかもしれない、好きでいたいだけかもしれない。

 

この『TOKYO TRIBE』も、そんな園子温節がふんだんに盛り込まれていて、下品で下劣、モラトリアムに拘泥し、遊び呆けながら【LOVE&PIECE】を掲げる浅薄な若者と、これまた浅薄なヒップホップを垂れ流しながら形成される、奇妙なグルーヴ感が味わえたような気がしました。

ミュージカル映画に位置するのかな、こちらでヒップホップで、歌謡曲っぽくはないですけど、従来のエモーションを意識したものではなく、前述のグルーヴ感を流れるように演出する試みはとても新鮮です。冒頭では「俺は映画を鑑賞しに来たわけであって、決してクソ長いMTVを観に来たわけじゃあねぇんだ!」と憤慨しかけましたが、音楽や映像の間断なき流れに身を任せると、自然と気にならなくなるどころか、自然と脳内で韻を踏み出すから不思議。

 

脚本は大幅に改変されていて、原作はーーぼくはアニメしか視聴していませんがーーわりと真面目だったと思うんですが、実写版では一夜限りのメイヘム(騒乱)となっております。カイとメラの因縁が特にひどかったな……終盤で明かされる因縁の理由には大爆笑しました(無論声には出さず)。デカイはエライんですよ……。

 

アクションシーンも相変わらず無駄な動きばかり取り入れた、外連味たっぷりで愉快なものになってるんですけど、ヒロインの清野菜名ちゃんが非常にエロかったです。うら若き乙女(死語)の柔らかな肢体を眺めるのが好きな変態さんは見るとよいですよ!! 危うく映画館で勃起しかけた!! ちくしょう!!

 

それでは。

 


『TOKYO TRIBE』予告 - YouTube

 

 

TOKYO TRIBE2  第1巻

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