青豆ほーむ

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『やはり俺の青春ラブコメは間違っている。』第一巻感想

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)

 

 

アニメ第二期制作決定で話題のベストセラーライトノベル、早速読んでみました。TVアニメ版も並行して鑑賞しております。やー、これまた面白い。

一人称視点での主人公の語りも絶妙で、性格をあらわしてるのか、いい感じにしつこくていいです。設定自体は『僕は友達が少ない(残念系ラブコメ)』を踏襲していることは作者自身が明言しているので、そこはまぁどうでもいいんですが、上手く換骨奪胎できているというか、完全に渡航先生自身のものとして書けている。読んでて全然『はがない』が頭に浮かばなかったもの。すごいなぁ。

 

 主人公である比企谷八幡もすごく捻くれた性格なんですけども、容姿、頭脳、スポーツ(個人競技に限る)すべてが“ぼっちにしては”ハイスペックで、普段の昼行灯で卑屈で、残念な日常をウェットのきいたモノローグで折り合いをつけながら、決める時には決める。やはり方向性はともかく、突き抜けたヒーロー性というものはライトノベルには必要な要素なのだと改めて実感しました。かっこいいよ八幡……ぼくも、君みたいになれたら……(地雷踏んだ)

 

ヒロインは、まぁ、わりとどうでもよかったりするんですよね。アニメ版だとやや引き気味の俯瞰視点で、モノローグこそ八幡だけに留められているのですが、きちんとラブコメの王道の体を成しているので、こちらの方は楽しめたのですが、原作の方だと八幡に感情移入しすぎてしまって(笑)。

 

で、第一巻を読んだぼく個人の感想は、

『やはり俺の青春は間違っていたのではないか』と思わずにはいられない。読んでて辛かったです。巨大な水槽に思えて仕方のなかったあの教室。ろくに息もできず、身動きすら取れなかったあの狭い教室を巨大なハンマーで横っ叩きするような衝撃を受けました。すいません誇大表現です。

 

輝かしい青春のビッグ・ウェーブに乗り切れなかった若者たちが、モラトリアムを無駄にしないために集う場所、奉仕部。

肥大化した自意識から欠落した1ピースが、恐らくここにあるのではないか。あまり期待せずに次巻も読み進めていきます。

 

それでは。

 


「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」ロングバージョン - YouTube