青豆ほーむ

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『変態王子と笑わない猫』Ⅰ巻感想~アニメに食われたアイツのアイツ~

変態王子と笑わない猫。 (MF文庫J)

 

 

どうも青豆ここあです。約一週間ぶりの更新です。はてなブログを始めた当初は、できるだけ毎日更新に努めていたのですが、読者の方から「質を大事にしないと(意訳)」みたいな指摘を受けたので、やめました。だからといって質が向上したわけでもなく、自分の書きたいときに書きたいように書こう、という居直りに落ち着いたわけですが。まあそんなことはどうでもいいですね。

変態王子と笑わない猫』一巻読了いたしました。書店の、たくさん積み上げられた作品たちのなかから選択するのは、時間を持て余しているとは到底言えない社会人としては至難の業なので、今回もアニメから購入するものを決めました。ほかには『甘城ブリリアントパーク』なども一緒に購入したので、こちらも読み進めていきます。

 

で、感想。

あんまり面白くなかったです。第6回MF文庫Jライトノベル新人賞で最優秀賞を受賞、初動売上も2010年の段階では最高を記録し、書店や通販でも手に入れるのはなかなか難しかった記憶があります。まぁ結局手に入らず諦めていまに至るのですが、年月が経ったいま、改めて読んでみると、そんなにおもしろくない。なぜだ。

たぶん、作者が作品を突き放して描いているという印象が拭えないからでしょう。これはあくまで印象論に過ぎないので、だから駄作だというつもりはありません。ただ、作中でよく使用される「変態」というワードもいっさい重みがなく、Twitterで「おっぱいはどうのこうの」と毒にも薬にもならないぺらいツイートに対して、「○○さんは変態ですねぇ」と合の手を入れるフォロワー、みたいな、予定調和を絵に書いたようなものでしかない。これは至極残念ですね。

 

もちろん、文章力はたしかなものです。過不足はいっさいなく、豊かな知性も伺える。ただそれは器用に描かれているだけであって、読者のこころをエクスパンドするようなものではない。頭が良いだけ捻っただけ。

 

以前に、虚淵玄Twitterで「最近の新人ライトノベル作家は、アニメ化前提でライトノベルを描いており、文章がもつ魅力や可能性にたいして非常に無頓着だ(意訳)」というような旨のツイートをされていましたが、たぶん、この作品もそれに含まれるのでしょう。実際、アニメの方がだいぶ魅力的に、かわいくキャラクターが映っている。梶裕貴の胡散臭いヒロイズムを主張する声とか、小倉唯の怪演、石原夏織の不憫可愛さ等、満足できる内容となっているだけに、本当に残念です。

 

貶したような内容になってしまいましたが、上述のとおり、あくまでこれはぼくの印象論であって、他の読者がどう思っているかは知りません。念のため。

 

それでは。