青豆ほーむ

チラシの裏

『カナエの星』~カジュアルな世界救済~

カナエの星 (電撃文庫)

オススメ度★★★☆☆(3.5)

 

話題の高橋弥七郎×いとうのいぢによるコンビ最新作。ちょっと乗り遅れた感じはありますが、漸く読了しました。因みに前シリーズである『灼眼のシャナ』は巻数が多いことも相まってアニメしか消費していません。4巻買おうと思ったら間違えて6巻を買っちゃったのはいい思い出、もとい黒歴史……。

それはそうと、最近ほんとにページを捲る手が進まないなぁ。PSO2を始めたせいもあるかもしれない。これだからネトゲはダメですね。社会人の貴重な時間を奪い、浪費した時間は、無慈悲にも腹とか頭皮に確たる烙印を押していく......

 

で、感想ですが、とても面白かったです。いやー、軽いですね。「点火済みの爆弾」という二つ名を与えられた主人公の、迷いも逡巡もなく最短経路で最適解へと至るスペックの高さが痛快でした。ノリが軽いわりには文章はところどころ硬く、屋内の間取りや風景描写も丁寧で、すごく読みにくかったです!

 

世界救済の理由付けもはっきりしていて、「世界が破滅すると困るから」というカジュアルだが大変リアリティのあるものとなっていて、「こんなんでいいのか?」というツッコミにも「これでいいのだ」と単純明快な解答を示す。わりと自己存在とか人間の尊厳とか掲げて世界救済を目指す、青臭いラノベに飽き飽きしていた節もあるので、この軽さは非常に良い。今では滅多にお目にかかれない、

 

わたしとあなたで構成されるセカイ。

 

フヒヒ。大人も最少人数しか登場せず、主人公たちの争いも不可視なので、いてもいなくても問題ないことになってます。『灼眼のシャナ』ではわりと大人が介入していたような覚えがあるのですが、今回バッサリいきましたね。ヒロインが小学五年生というのもミソです。(あざとい)

 

バトルものとしても、主人公と敵対勢力との力量のバランスが絶妙で、「既の道」というチート級の特殊能力を持つ主人公と、経験不足だが圧倒的なスペックでねじ伏せていく「ハインの手先」との戦闘描写に舌を巻くばかりでした。これまた非常に読みにくいですが、頭の中で映像が思い描きやすいほど丁寧懇切な筆致です。

十字印も優秀で便利なのですが、やはり「既の道」の方が圧倒的に有利でしょう。1巻ではその名称以外、詳細は明かされないのですが、奈須きのこの『DDD』における日守秋星のような能力(類まれなる想像力によってあらゆる事態を想定し、最速の行動ができる)だと推測できるのですが、どうでしょうね。次巻で明かされるのかなぁ。

 

次巻も購入するということで(刊行されれば)、それでは。

 

 

・関連記事(こっちのほうが読みやすいです)

「カナエの星」の軽さについて - 主ラノ^0^/ ライトノベル専門情報サイト

灼眼シャナコンビ新作『カナエの星』の感想。ヒロインは小5ロリ! : わなびニュース

 

 

 

灼眼のシャナ (電撃文庫)

灼眼のシャナ (電撃文庫)